この記事では格安SIMの利用や申込み、解約に関するデメリットや、デメリットの対処方法について解説します。
目次
格安SIMを使っていくうえで気をつけたい、利用に関するデメリット
まずは、格安SIMを使う際に気をつけたいデメリットから解説します。
最安で月額1,000円未満から使うことも可能な格安SIMですが、安い分デメリットや気をつけたいポイントも色々あることにご注意ください。
格安SIMの中には、お昼や夜に速度が下がってしまうものもある
まず気をつけなきゃいけないのは通信速度です。
なぜ速度が下がるかというと、利用者が増えて回線が混み合うからです。
ドコモなどの大手キャリアは、自分が設備を用意した広い回線帯域を使えるので混み合いづらくなっています。
結果としてお昼や夜でも、快適に通信できますよね。
ただし全ての格安SIMで速度が不安定なわけではなく、ソフトバンクが自らの所有する回線で提供しているYモバイルやKDDIのUQモバイルといったように速度が安定しているものもあります。
ahamoなどの大手キャリアがWeb専用で提供している格安プランも、キャリアの回線をそのまま使えるので速度は速いですよ!
ahamo公式サイト
手持ちのスマホを使うために、SIMロック解除という手続きが必要な場合あり!
手持ちのスマホで格安SIMを使うために、SIMロック解除という手続きをしなければいけないケースがあります。
主に以下のようなケースでは、SIMロック解除が必要になります。
- 乗り換え前と違う回線を使っている格安SIMに乗り換える
- auで、2015年~2017年の夏頃までに発売されたスマホをau回線の格安SIMで使う
例えばドコモからau回線が使われているUQモバイルに乗り換える場合は、SIMロック解除をしないと端末を引き続き使えません。
SIMロックがかかっていると、その端末が販売されていたキャリアの回線以外に対応するSIMは利用できないのです。
SIMロックは、My docomoやMy au、My SoftBankといった大手キャリアの会員ページから無料で解除できます。
SIMロック解除は、すぐには行えないことも…
スマートフォンを他のキャリアのSIMで使えるようにするSIMロック解除手続きは、条件を満たしていなければ行えません。
SIMロックを解除したい端末が以下の条件のいずれかに当てはまっていれば、すぐに解除できます。
- 端末代を全額支払い済み
- 端末代をクレジットカードで支払っている
- 前回のSIMロック解除から101日目以降になっている
- 端末の購入から101日目以降になっている
端末代を口座振替などで支払っていて、前回のSIMロック解除または端末購入から100日以内の場合は解除できません。
SIMロックは、2021年10月以降禁止になった
長い間格安SIMへ乗り換えるにあたって大きな障害となっていたSIMロックですが、実は2021年10月から総務省によって禁止されました。
これから発売されるスマートフォンはSIMロックがかかっていないので、色々な格安SIMで自由に使えますよ。
ちなみにiPhone 13シリーズは9月発売ですが、こちらもSIMロックはかかっていません。
Androidスマホは、販売されていたキャリア以外の回線を使った格安SIMだと繋がりづらい場合あり
Androidスマートフォンは、販売されていたキャリアと異なる回線の格安SIMだと電波が繋がりづらくなることもあります。
スマートフォンは、機種ごとに使える電波の種類(周波数帯)が異なります。
国内で売られているiPhoneの場合は、どこで買ってもドコモ・au・ソフトバンク・楽天の回線にしっかり対応しています。
特にGalaxyやXperiaといった人気のシリーズは、ドコモ版ならドコモ回線、au版ならau回線以外の電波にはほとんど対応していません。
Androidユーザーの場合は、手持ちの機種でうまく通信できなかったら必要に応じて機種変更を行いましょう。
既に何年も同じスマホを使っているなら、乗り換えに合わせて新しい機種を回線とセット購入するのも良いですね。
キャリアメールは解約される
ドコモのドコモメールなど、大手キャリアではキャリアメールアドレスを使えます。
しかしキャリアメールアドレスは、格安SIMへ乗り換えると解約されてしまいます。
キャリアメールで連絡をしていた人は、別のGmailなどのメールアドレスを用意して連絡先を変更しなければいけません。
格安SIMはトラブル時のサポート対応や各種手続きがネットのみなことも多い
格安SIMは、安くサービスを提供するために様々な手続きを簡略化しています。
トラブル時のサポート対応をお店で受けられず、ネットでチャットやメールを使って相談しなければいけないケースも多いです。
プラン変更や住所変更などの手続きも、ネット上のマイページで行うしくみな場合があります。
かけ放題がない格安SIMもある!専用の通話アプリが必須なことも
大手キャリアだとどこでも使えるかけ放題ですが、格安SIMだと提供がないケースもあります。
例えばIIJmioでは、3分かけ放題や10分かけ放題はあるものの無制限のかけ放題はありません。
また格安SIMの中には、安く通話をするオプションなどを利用するために専用の通話アプリをスマホにインストールしなければいけないものもあります。
最初からスマホに入っている通話アプリを使いたい方は、アプリ不要でかけ放題などを利用できるUQモバイルやYモバイル、OCNモバイルONEなどを選びましょう。
使い放題プランなら大手キャリアのほうが安い可能性大
格安SIMは大容量のプランがあまり充実していません。
40GB、50GBなどの大容量で使いたい人や、使い放題で自由に通信を楽しみたい人には大手キャリアがおすすめです。
格安SIMの申し込みに関するデメリット・注意点は?
大手キャリアから格安SIMに乗り換える時は、色々な手続きが必要だったり、支払いに関する注意点があったりします。
ここからは、格安SIMの申し込みにおけるデメリットについて解説します!
電話番号そのままでの乗り換えにはMNP予約番号の発行が必要
今まで使ってきた電話番号を乗り換え先の格安SIMに引き継ぐには、「MNP予約番号」を発行しなければいけません。
MNP予約番号は、My docomoの「ドコモオンライン手続き」やMy au、My SoftBankといったキャリアのマイページから無料で発行できますよ。
au→UQモバイル・povoやソフトバンク→Yモバイル・LINEMOはMNP予約番号が不要
auからUQモバイルやpovoへ乗り換える場合と、ソフトバンクからYモバイルやLINEMOへ乗り換える場合はMNP予約番号を発行する必要がありません。
番号移行という手続きになり、そのまま乗り換えられますよ。
MNP予約番号は15日経つと期限切れになってしまう!
発行したMNP予約番号は、有効期限が15日間です。
期限が乗り換え中に切れてしまうと、またMNP予約番号の発行からやり直さなければいけなくなります。
期限切れにならないように、発行したその日のうちに格安SIMへの乗り換え手続きを済ませてしまうのがおすすめです。
申し込み手続きはネットで行わなければいけない物も多い
格安SIMの申込みは家電量販店などで行えるケースもありますが、ネットでしか契約できない選択肢も色々あります。
ネット限定の格安SIMは、ネット上での手続きが苦手な人の場合申込みが難しいと感じるかもしれません。
店員さんなどに手続きを進めてもらいたい場合は、店舗での契約に対応している格安SIMを申し込むのがおすすめです。
格安SIMの支払い方法は、クレジットカードが指定されているケースもしばしばある
格安SIMでは、支払い方法にクレジットカードしか選べないものもあります。
例えばOCNモバイルONEやmineo、IIJmio、BIGLOBEモバイルといった人気の格安SIMは、基本的にクレジットカードでしか音声通話SIMの月額料金を支払えません。
なおYモバイルやUQモバイル、楽天モバイルなど、口座振替で支払える格安SIMもありますよ。
乗り換え時に発生する各種料金に注意!初期費用やSIMカード発行手数料も忘れずに
格安SIMに乗り換えた月には、以下の料金が発生します。
- 乗り換え前のキャリアの解約金・MNP転出手数料(大手キャリアは現在無料)
- 乗り換え先の格安SIMの初期費用
- 乗り換え先の格安SIMのSIMカード発行手数料(一部の格安SIMで発生)
- 乗り換え前のキャリアの解約月の月額料金(日割りなし)
- 乗り換え先の格安SIMの初月の月額料金
かつては1万円近い解約金や手数料がかかってしまうことも多かったのですが、現在は基本的にかかりません。
注意したいのは、格安SIMを契約する時に発生する3,300円程度の初期費用や、400円程度のSIMカード発行手数料です。
例えばIIJmioは初期費用が3,300円、SIMカードの発行手数料がドコモ回線だと433.4円、au回線は446.6円かかります。
そしてキャリアの解約月に発生する月額料金は、日割りなしの満額請求となることにもご注意ください。
たとえ1~2日くらいしか使っていない段階で乗り換えても、満額の月額料金がかかってしまいます。
通信のための「APN設定」が必要なことも
格安SIMを使うために、通信のための設定「APN設定」が必要になるケースもあります。
iPhoneでは、ブラウザからデータをダウンロードして設定アプリからインストールすることになります。
Androidでは設定アプリを開いて、自分で設定を入力していくしくみです。
格安SIM各社でわかりやすい設定手順ガイドが用意されていますが、こういった作業が苦手な方はご注意ください。
格安SIMの解約に関するデメリット
格安SIMを使っていくにあたって、将来的には解約したり、他社へ乗り換えたりする可能性も0ではありませんよね。
最後に、格安SIMの解約に関するデメリットをまとめます。
解約窓口は会社ごとに異なる
格安SIMの解約は、Webですぐ行えるものもあれば電話や書類郵送などをしなければいけないものもあります。
各社で手続きの流れが異なるので、今後に備えて乗り換え前に解約の方法もチェックしておきましょう。
違約金が設定されている格安SIMもある
大手キャリアは違約金が多くのプランで撤廃されていますが、格安SIMだと解約時に違約金がかかることもあります。
ロケットモバイルの音声プランを1年以内に解約すると、10,450円の違約金がかかります。
各社で違約金の金額も異なっているので、プランの内容はしっかり確認しておきましょう。
格安SIMは、どんな人におすすめなの?
最後に、ここまで解説したデメリットを踏まえつつ、どんな人に格安SIMがおすすめなのかをまとめます。
ネット上での各種手続きに抵抗がない人におすすめ
格安SIMの各種手続きやサポート受付は、ネット中心なケースが多いです。
格安SIMは、ネット上で通販サイトや会員サービスなどを活用していて、ネットでの手続きに苦手意識がない人におすすめです。
まったくネットを普段使っていないような人だと、ちょっと使いづらいと感じてしまうかもしれません。
速度が不安定な格安SIMは、あまりスマホで動画やゲームを積極的に楽しまない人向け
時間帯によって通信速度が遅くなることがある選択肢もある格安SIMですが、あまりスマホをフル活用していない人ならそこまで問題はありません。
動画やゲーム、アプリのダウンロードのような通信量が多いサービスを休憩時間などにそこまで積極的に利用しない人なら、速度が遅めな時間帯があっても不満には感じづらいと考えられます。
筆者は外だとブラウザやSNS、地図アプリをちょっと使うくらいなので、混み合って速度が遅くなった時も「ちょっと読み込みが長いな」と感じるくらいです。
速度やサポートを重視する人には、UQモバイルやYモバイルがおすすめ!
UQモバイルやYモバイルは実店舗が町中にたくさんあり、サポートをネット以外でも受けやすくなっています。
さらに通信速度も、キャリアの高品質な回線を使えるので下がりにくくなっています。
スマホ代を下げつつ通信速度やサポートの充実度はできるだけ下げたくない!という人は、UQモバイルやYモバイルを検討してみてください。
Y!mobile公式サイト
まとめ
今回は、格安SIMのデメリットについて詳しく解説しました。
格安SIMは月額料金が安価ですが、乗り換え時に様々な手続きが必要だったり、乗り換え先によっては速度が不安定だったりと注意点もあります。
今回の解説を参考に自分が格安SIMに乗り換えても大丈夫か判断、乗り換え先も慎重に選ぶように気をつけましょう!